Lusine – ‘The Waiting Room’ (Ghostly)

L’usine, Lucine Icl そして Lusine と、微妙な違いだがこれまで Jeff McIlwain が名乗ってきた名義である。名義を変えたり複数持つことは、個人アーティストにはよくあることで、特にエレクトリック・ミュージックの人達に多く感じる。最も、一番多いのはノイズ周辺のアーティストで、ある人に至っては50近くの名義をもつものもいる。なぜこのように複数使い分けるのか考えるに、エレクトリック・ミュージックはそれなりに型がある音楽である故、制作される曲が似てきてしまう。そのために、名義を使い分けることで自分のなかでの変化を持たせている場合と、変化の大小は個人差あるが、実際に音楽性が違う場合とが考えられる。ノイズなんて結局ハーシュで、制作行程がどうであっても聴き手には区別付かないからね、そういう配慮もあるのだろう。Lusine の場合は、時代と共に名義を変えてきたと感じられる。L’usine の頃は、当時ピュア・テクノと呼んでいたような Rephlex, Clear, De:Focus といったレーベルのエレクトロニカ系で、次の Lusine Icl では、ヒップホップなビートを基調としたストイックなビート・エレクトロニカであった。そして、Lusine と初めて名乗るようになったのは、ここ Ghostly からリリースするようになってからで、同時に4/4ビート、つまりテクノやハウス路線を強めた頃になる。Lusine として4作目になる The Waiting Room は、これまでこの名義で重ねてきた音楽性を基本そのまま継続している思える。ただ、4年ぶりとなる間に変化は感じられ、(ゲスト) ヴォーカルものが増えたのと、音が全体的に太くなっている。ヴォーカルの部分は、よりポップなフィールドに自身の音楽を向わせるための有効な手段だとして、音の太さに関しては最近の Ulrich Schnauss の作品でも感じられたが、こちらも現在にあっては必然な変化だったのかも。Lusine と言えば、少し細めのビートをコツコツと鳴らす印象があったし、メロディのレイヤーも薄いものが特徴だった。だけど、やっぱりそれは00年代はよかったけど、今そのままではちょっと乏しい。たまたま今日見たのだが、Prefuse 73もグリッチ・ホップと呼ばれるのがほんとに嫌いだとツイッターでつぶやいていた。つまり、過去にはIDMとかグリッチと呼ばれる音楽であった事実はあるけど、そこからの変化、進歩は求められるし、最近では特にポップ要素が求められる時代。その両面を踏まえたうえで、Lusine の出した答えは現時点では間違ってない。

7.5/10

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